初めに

いくらPC上で写真を厳密に色調補正したとしてもスマホから見ると色が異なって見えます。つまり、自身の編集環境と閲覧者の閲覧環境の違いにより、いくらでも写真の色や明るさは違って見えて当たり前ということです。

なので、今回は「複数のデバイス間で出来るだけ近い色に見えるように調整する」という方向性の記事になります。

今回の試みとしては、プロ向けのキャリブレーション対応モニタ(EIZO ColorEdgeシリーズなど)を所持していない人でも許容できる範囲で複数モニタ・デバイス間の色の再現性を高めるための設定を探ったものです。これからSNSへ写真の投稿を始める方へ、最低限こうしておけば大丈夫、という道標になれば幸いです。

モニターの色設定を見直す

モニターのカラープロファイルがsRGBになっているかを確認しましょう。モニターの右下辺りに設定変更用の物理ボタンがありますので、そこから設定することができます。

カラープロファイルとは、使用可能な色の範囲を定めたルールのようなものです。一般的にはsRGBかAdobe RGBのどちらかが使用されています。基本的にはsRGBに合わせるようにしましょう。

私はBenQのモニターを普段から利用しています。ゲームをよくプレイするので、モニターの画像設定をゲーム用の設定に変更して使用していました。

しかし、この設定を行ってしまうとモニターで使用するカラープロファイルがsRGBではないものに変更されてしまいました。写真の色調補正を行うときは必ずsRGBに設定しておきましょう。

OSの色設定を見直す

Windows10では、OSで色の設定を行うことができます。まずは設定から色の管理を開きます。

color-settings

既定のカラープロファイルをsRGB IEC61966-2.1に変更します。

color-settings-srgb

これでWindows10のフォトやプレビューなどのソフトはsRGBのカラープロファイルを使用するようになります。

編集画面上の表示設定を見直す

私はRAW現像にCapture One 20を使用しているのですが、Capture One 20には「レシピプルーフィング」という機能があり、RAWからjpgへの圧縮の際に圧縮レシピを選択しておくことによって、圧縮後のプレビューを見ながら編集することができます。こんな便利な機能を使わない理由がないので、必ずオンにしておきましょう。

上部の表示メニューからの「レシピプルーフィングを有効にする」を選択し、画面左側の歯車メニューから現像レシピを選択します。Twitterに投稿するときは「JPEG 2048px web用」を選びましょう。Instagramに投稿するときは「Instagram最適化」を選んでくださいね。

recipe_proofing

書き出す際には現像レシピタブの右下にある現像ボタンを押しましょう。左上のエクスポートボタンからは書き出しに現像レシピが反映されないので注意してください。

上記の現像レシピを選択している場合は大丈夫ですが、TwitterやInstagramには画像の長辺サイズや容量に制限があるので、閾値を超えてしまうと画像が自動圧縮されてしまいます。これがすごく厄介で、圧縮後の色が変わって見えてしまうことがあるので注意しましょう。

圧縮後のシャープニングを忘れずに!

例えば、幅6000px × 高さ4000pxの画像があったときに、これを幅2048pxにダウンサンプリング(縮小)することを考えてみましょう。同じ縦横比率を保ったまま縮小すると、幅2048px × 高さ1365.33pxになってしまい、計算では上手く割り切ることができず、端数は0.33pxとなります。では、端数の0.33px分はどうなるのかというと、画素数が間引かれ(調整され)て埋め込まれます。そして、縮小後のサイズによっては単純に間引かれるだけでなく、補完処理が行われます。この補完処理は周辺の画素から元データにはない画素を作りだし、足りない部分を埋めていきます。この処理がいまいちだと画像の解像感が失われてしまいます。

そのため、画像のダウンサンプリング後にはシャープニングを行います。ダウンサンプリング後に自動でシャープネスをかける設定は各ソフトが標準で備えていますので、必ず確認しておきましょう。ちなみにCapture Oneの場合は左側の歯車メニューから現像設定タブを選択し、調整タブを選択すると確認することができます。

ダウンサンプリングによる色の変化に注意する

上記でも触れましたが、ダウンサンプリング(縮小)する際に色が変わって見える現象について少し深堀してみます。

PhotoshopやLightroomで使用されているサンプリングアルゴリズムには以下のような種類があり、これらはAdobeのサイトで説明されています。

  • ディテールを保持2.0
  • バイキュービック法
  • バイリニア法
  • ニアレストネイバー法

詳しい説明はAdobeのサイトを参照していただければと思いますが、それぞれ特徴のあるアルゴリズムであり、中には色に与える影響が大きいものもあります。

PhotoshopとLightroomでは、アップサンプリング(拡大)ではディテールを保持2.0が使用され、ダウンサンプリング(縮小)ではバイキュービック法が使用されます。基本的には標準設定にしておけば問題ありません。ディテールを保持2.0はAdobe Sensei(AI)の機能であり、現在はテクニカルレビュー中なので将来的にアルゴリズムが変更される可能性があります。

Capture Oneを使用している場合も同様に、現像レシピによって色が大きく変わって見えてしまうことがあるということを考慮しておきましょう。ちなみにCapture Oneでは今のところ、アルゴリズムを自分で指定することはできません。

書き出しのカラープロファイルを設定する

画像を書き出す際のカラープロファイルにはsRGB IEC61966-2.1を設定しましょう。これはソフトによって設定方法が違うのですが、Capture One 20では左側の歯車メニューを選択し、現像設定タブを開きます。プロファイルの項目を「sRGB IEC61966-2.1」に設定してください。

jpg-color-profile-settings

参考
webサイトに写真画像をアップすると色が変わる暗くなる!カラーマネージメントの基礎を理解しよう! – 一眼レフカメラ・写真初心者のカメラブログ
風景写真をシャキッと仕上げよう!SNSやWEBサイトごとにキレイに見せる最適なシャープの掛け方とは。